デキる人は気づいている”原因鑑別力”の大切さ|ジーハンズ 理学療法士 渡具知藍

セラピストは技術職である。

しかし、痛みに対して徒手治療を行う際、どうしても“上手く治療できるセラピスト“と“治療が上手くいかないセラピスト“が存在する。

そこで理学療法士や作業療法士をはじめ、ときには医師からも紹介されるほど、技術力に定評がある「G'hands(ジーハンズ)」で店長に抜擢された渡具知藍(とぐち らん・理学療法士)さんに上手くいかせるための技術についてお話をお聞きしました。

 

腰痛に対する徒手治療を上手く治療できるようになるためにはどんなことが必要ですか?

渡具知 藍(ジーハンズ)
必要なのは治療技術はもちろんですが何よりも「原因を鑑別する力」ですね。
僕がこれまで出会ったきた”治療がデキる人”の共通点は、みなさん原因を見抜く力がすごいなと感じました。
テクニックありきではなく、原因を見抜く能力があってその上にテクニックが成り立つわけですよね。例えば、腰痛を例に挙げると、骨折や内科疾患、心理的要因が強い腰痛など原因はさまざまです。
主に外来や自費リハビリ整体などにいらしゃる運動器要因の腰痛においては、4つの原因が考えられます。
椎間関節性、仙腸関節性、筋・ 筋膜性、椎間板性です。 特に、椎間関節性、仙腸関節性、筋・筋膜性を鑑別できれば比較的多くの方に対応できると思います。

 

 

興味深いですね。
椎間関節性、仙腸関節性、筋・ 筋膜性、椎間板性、それぞれの腰痛で治療方法は変わってきますか?

渡具知 藍(ジーハンズ)
椎間関節性、仙腸関節性のように関節性の問題であれば、その関節や組織にかかるメカニカルスト レスをどう対応するかが大事になってきます。
筋・筋膜性の場合は、筋・筋膜の滑走性の問題をどう改善するかが大事になってきます。

 

なるほど。
これらを上手く鑑別できていないと治療現場ではどんな違いが起こりえますか?
治療がうまくいっていないときってどういう場面でしょうか?

渡具知 藍(ジーハンズ)
原因の鑑別がしっかり出来てないと、まずその場で痛みが良くなることはありません。
もちろん心理的安心感で「さっきより少し良くなっている」と言ってくださることはあっても、家に帰ったあとにそのクライアントさんは痛みで困っていると想像できます。
また、その場では良くなってもすぐに痛みがぶり返してしまう可能性があります。
その結果、治療者側、クライアント側の双方が「この腰痛は難しい」「痛みが変わらない」という思考を作り慢性的な腰痛へ移行させてしまう原因になると考えています。

 

鑑別力大事ですね!
セラピストがその「鑑別力」を向上させるためにはどのような知識や技術が必要と思いますか?

渡具知 藍(ジーハンズ)
カウンセリング(問診)からクライアントの腰痛の原因となりえる要素を絞る知識と、触診を元に徒手的に鑑別しながら治療を進めていく技術が必要だと思います。
問診と触診の総合的な知識と技術ですね。
例えば、同じ仙腸関節性の腰痛だとしても人によって膝の固さが原因の方がいれば、胸椎の硬さが原因の方もいます。
この両者はカウンセリングのときに、過去の膝の怪我を聴取できていると正確な鑑別に繋がりますし、仕事やスポーツなどの癖や特性を加味することで正確な鑑別に繋がります。
それを触診の技術で胸椎の中でもT4/5の椎間関節が硬いななど治療部位の鑑別につながっていきます。

渡具知 藍(ジーハンズ)
正確な鑑別ができなくても、痛みが多少改善したり、可動域に変化が出たりすることもあります。
ですが、それではこの方がなぜ良くなったのか原因がわからず終わってしまいます。
そうなると、痛みの再発を防ぐアドバイスやセルフエクササイズ、セルフケアの指導も上手くお伝えできないので、それが再発や慢性化にもつながっていきます。
また、自身の成長においても、結果に対し何が良かったのか、悪かったのか判断し臨床推論していくことが自分自身の成長につながると思います。

 

 

藍さんありがとうございました。
 
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