看護師の求人・転職サイトで見かける「非公開求人」とは?
看護師転職サイトに掲載されている事が多いのですが、非公開求人という言葉を見た事・聞いた事はありますか?
この非公開求人とは、誰でも閲覧する事ができないタイプの求人情報を総称してそう呼びます。
しかし、一言で求人と言っても、実はいくつかのタイプに分類する事ができます。
- 転職サイトにて、公にされておらず、無料登録後であれば誰でも確認できるもの
- 公開する前に、一定期間だけ「非公開求人」とするもの
- ある条件を満たした人にしか知り得ない、まさに「非公開求人」になっているもの
こういった理由が、非公開にする理由の代表的なものです。
無料登録後であれば誰でも確認可能
看護師転職サイト側の立場から、求人情報を非公開にする理由としては「登録会員を増やしたい」という思惑によるものが多いです。
登録しなくても閲覧できるなら、ただ求人情報だけをチェックして、サイトを介さずに、直接コンタクトされる可能性が出てきます。
転職サイトは、看護師を無料で転職サポートし、転職が実現した時に転職先の会社・病院・施設から、その紹介料をもらう形で収益をあげています。
このような理由により、求人情報の全てを登録後からじゃないと閲覧できない情報として、「非公開求人」が大半を閉める運営方法をとっているのです。
ただし、この種類の非公開求人は、登録後は閲覧可能なので、真の非公開求人とは言えそうにありません。
一定期間だけ非公開
これは、会社運営の考え方によって変わりますが、先ほどの会員登録をした人は最新情報をキャッチできるという、会員になる事にメリットを感じさせための場合が多いです。
本当に会員がしか閲覧できない場合は、それなりの会員数がいる必要があります。会員がいないのに、全てを非公開求人にしてしまうと、企業側・病院側が求人を掲載する意味がなくなり、しまいには求人情報自体を掲載してもらえなくなってしまいます。
どちらかと言うと、登録者だけに閲覧させたい(登録者数を増やすため)けど、病院側に譲歩せざるを得ない会社ががこのタイプをとっている傾向があります。
企業側・病院側が非公開にする理由
非公開求人にした場合、一部の人しか求人情報を閲覧する事ができなくなります。多くの人からの応募があったほうが、看護師を探している病院側としては嬉しいものだと考えそうですが、実は違います。
「多くの看護師からの応募があった方が良い」というのが当てはまるのは、「常に看護師人員が不足している病院や施設」です。
人気の病院や地域でも実力のある病院の場合は、自営のホームページの看護師募集ページから求人情報を出す事ができます。
自営のホームページだけでは求人情報掲載効果は乏しいので、少しでも多くの看護師からの応募が欲しい病院については、無料で閲覧できる「完全公開型の求人サイト」に登録できるのです。
看護師求人に非公開が多い理由
上記で説明した事を踏まえると、病院側が非公開求人を出す理由が多少分かりやすいと思うのですが、非公開求人で狙っているのは大多数の看護師へのアプローチではありません。欲しい人材としての「優秀な看護師」です。
特定の分野において長けた看護師
看護師長や看護主任、病棟リーダー経験者などの管理職経験者
事業所立ち上げに関わった看護師、特定の外来クリニック運営経験者
勤続年数が10年以上のベテラン看護師
こういった、特定の条件を有している看護師からの応募を求めている求人の場合です。
希望する条件があるのに、その希望条件には当てはまらない看護師ばかりが応募してくると、その処理が大変になるし、一人一人面接や書類審査をすると、本当に採用したかった人が漏れてしまう可能性が出てきます。
また、条件を設定している求人情報は、好条件・高給料の場合がほとんどです。
好条件・高給料の求人情報は多くの人が飛びつきます。
求人を出しても、希望する条件の人材が来ないというのは相当にコストがかさんでしまいます。
ハローワークの看護師求人
さらに、ハローワークなどに求人情報を掲載する場合は、細かい条件設定はできません。
例えば、新規の整形外科クリニック立ち上げに伴う、リーダー候補の看護師さんが欲しいと考えた場合ですが、
『整形外科クリニックの立ち上げを経験した事あり、40歳以下でコミュニケーション能力の高い人。』
『整形外科診療に携わってきた人で、整形外科の手術に関する知識も持っている女性看護師が良い。』
等という看護師像をイメージしていたとしても、求人情報を掲載する際には、
- 整形外科クリニック立ち上げに伴い看護師を若干名募集
- 整形外科診療の経験・未経験は問いません
- 年齢制限なし、男女不問
と記載する事しかできません。
男女雇用機会均等法により、求人票に「男性のみ」や「女性のみ」という掲載はできません。
また、
『家の事情で早く退勤したり、夜勤が可能な曜日を限定するような人よりは、バリバリに働けて、特別な制限をする事なくシフトを組める人が良い。』
と思っていても、こんな事を公の求人情報雑誌なんかに載せる事はできません。
仮に掲載した場合は、その病院や法人の人気や信用度に傷をつけてしまう可能性があります。
この場合も、上記と同じような形で、
- 未婚・既婚は問いません。
- 年齢制限なし、男女不問
- 就業条件の交渉可能
という求人内容になってしまいます。
実際に、このような求人情報を見た事があると思いますが、
本当は、「看護師なら誰でも良い」のではありません。
応募してきてほしい看護師像があるのです。
入ってみたら、最初の話と違った
求人情報に掲載している内容が、本当に欲しい人材に限定するような内容にできない以上、求めてはいない人材からの応募が出てきます。
企業側・病院側が、本当に欲しい人材がくるまで待てる「余力」があるところならミスマッチは起こりませんが、現場の状況で、もう求めているレベルの人が来ないのであれば、「今、応募してくれている人から選んだほうが良いのでは?」という流れになります。
ほとんどの病院が、永遠に待てるはずはないので、やはり求めていない人材を採用する事になります。
すると、求人情報に掲載されていた「好条件」をそのまま適用するのではなく、周りと同じ程度の待遇で採用する事になります。
採用に関する事は、あくまでも欲しい人材が来てくれるようにと設定したものなので、そうでなければ好条件はいとも簡単に「無かった話」になります。
これが、求人雑誌や、求人サイトによくある話で、「入ってみたら雇用条件が、変わっていた。」とか、「最初の話と違う。」というミスマッチが起こるのです。
病院側の想いを実現したのが「非公開求人制度」
病院側・企業側は、転職エージェント会社の「非公開求人制度」を利用する事で、本当に欲しかった看護師像に当てはまる人だけに求人情報を届ける事ができます。
転職エージェントが、転職サイトに登録してきた人からの職務歴・経歴を確認して、
「この人なら、○○病院が求めている人材に当てはまりそうだな。」
となった時に、非公開求人をその人にだけ開示します。
看護師は、その求人に興味を持てば、そこに申し込めますが、興味がなければ無理に申し込む必要はありません。
非公開求人は高給料・好条件
本当に来て欲しいと思える優秀な看護師には、しっかりと好条件の待遇を提示して、お互いWINWINの関係が成立できるのです。
この制度のお陰で、ある特定の領域を専門的に行なって来た看護師さんや、看護師長を経験したり、病棟立ち上げ・クリニック立ち上げに関わった事がある看護師さんなどは他の看護師さんと差別化されて、「本当の意味での非公開求人」に有り付ける可能性が高くなっているのです。
「非公開求人」というのは、①運営サイトが登録者を増やしたい思惑と、②企業側の希望人材だけが応募してほしい、というものが多くを占めています。
転職サイト選びの際は、
①非公開求人が多い転職サイトで、②登録後でも、すぐに見れない非公開求人があるサイト
を選ぶと、自分に合った「非公開求人」に出会える可能性が高くなると思います。
優秀な看護師こそ、非公開求人が豊富で、転職エージェントから紹介されないと知り得ない非公開求人が沢山ある転職サイトを利用すると良いと思います。
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