整形外科の病気

関節リウマチの症状・原因・診断

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関節リウマチとは?

関節内に存在する滑膜と呼ばれる組織が何らかの原因によって異常増殖し、自分の軟骨や骨を攻撃する事によって起こる自己免疫疾患です。
本来は細菌やウイルスから身を守るための自己免疫機能が関節に対して働いてしまい、関節に炎症が起きて痛みを伴って、関節の曲げ伸ばしが困難になったり、変形していきます。
30~50代の女性の人に多いとされています。全国に70万人以上の罹患者がおり、60代以上に発症する”高齢発症リウマチ”は男女比はほとんどありません。また15歳未満に発症する「若年性突発性関節炎」もあります。

Dr.カール
ここでは、関節リウマチの症状、原因、診断について説明していきます。
関連する病気についても説明しているので、膝や足、手などの関節の痛みで悩む人は合わせてチェックして下さい。
 

関節リウマチの症状

左右対称に発症すると言われており、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりがあります。朝のこわばりは他の疾患でもありますが、関節リウマチの場合は約1時間以上、長時間こわばりが続くのが特徴です。
関節が硬くなったり、逆にゆるくなったりして変形していきます。
最終的に破壊されていくと変形したまま炎症が治まり、日常生活に大きな支障がでます。また関節内だけの症状だけではなく、自己免疫機能の異常で全身倦怠感、発熱、体重減少、食欲不振、などの全身症状がでます。
重症の場合は背骨や膝・股関節・足関節など大きな関節や手首・指などに発症します。

関節リウマチに特徴的な関節変形

関節リウマチの関節変形は、肩・肘・手・手指や、股関節、膝・足首・足指などの四肢の関節の他にも、首の関節(環軸関節)にも変形を起こします。

A.関節リウマチの四肢関節の変形

関節リウマチによる関節変形で、特に特徴的な変形を以下に示します。

関節 変形
手関節・手指 スワンネック変形、ボタン穴変形、尺側偏位
膝関節 外反変形、吹きさらし変形
足関節・足部 外反扁平足、外反母趾、開帳足、屈趾変形、ベンチ形成
B.関節リウマチの脊椎の変形

四肢関節のような変形とは少し異なり、関節が緩くなってしまう事によって生じます。
これは、軸椎歯突起後方を横に走る環軸横靭帯の弛緩により生じます。
症状が進行し、首の骨に症状がでて関節がゆるくなると、脱臼を起こす危険性もあります。初めは前方亜脱臼から始まり、歯突起の破壊に伴い後方亜脱臼、さらに軸椎垂直亜脱臼と進行する可能性があります。
最悪な場合は手足のしびれ、呼吸状態が乱れ、生命の危機にも関わってくるため、手術が必要となります。
 

関節リウマチの原因と病態

遺伝子要因やウイルス感染によるものと考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
外的な要因である喫煙や環境要因も発症に影響されていると言われています。
 

関節リウマチの診断

血液検査と画像診断があり、日本でもアメリカリウマチ学会の診断基準で診断が行われます。
血液検査では、関節リウマチの炎症症状の各項目と血清リウマトイド因子、軟骨の破壊を示す値のMMP-3、抗CCP抗体などを調べます。
陽性反応がでたからといってすぐに関節リウマチを疑うのではなく、レントゲンや超音波検査、MRI検査で関節の炎症や変形の有無を確認した上で診断が行われます。
血液検査でリウマトイド因子や抗CCP抗体が陰性のリウマチや、陽性でもリウマチではない人もいるため、血液検査の数値だけではなく、身体所見も合わせた総合的な診断が重要になってきます。
関節リウマチの機能障害評価の代表的な評価方法にSteinbrockerの分類があります。X線で病期(関節の障害)を評価するstage分類と日常性生活を評価するclass分類に分けられます。

Steinbrockerの分類

 

stage分類
stageⅠ:関節破壊は無い
stageⅡ:関節破壊はあるが関節変形が無い
stageⅢ:関節破壊・関節変形があるが骨強直は無い
stageⅣ:関節破壊・関節変形・骨強直がある
class分類
classⅠ:全く苦痛なく身の回りのことや仕事を行なえる
classⅡ:多少苦痛は伴うが身の回りのことや仕事を行なえる
classⅢ:身の回りのことはできるが仕事は行なえない。
classⅣ:身の回りのことも仕事もほとんど行なえないか全く行えない

 

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