前回、「美容と健康のための”あいうべ体操”の始めかた」の中で、『ベー』と舌を出して、できるだけ長く声を出すだけの体操が、睡眠時無呼吸症候群などに併発する頭痛や首の痛みに効果的という話をすると、大きな反響をいただきました。
「”いびき”や”むせ”に効果的なあいうべ体操を知っていますか?」で「あいうべ体操」を紹介して以来、多くの反響の中でも同様の質問をいただいています。
それは、
「なんで口を動かしたら、いろいろ良くなるのですか?」
という声です。
今回は、それにお答えするお話をしたいと思います。
まず、こちらをご覧ください!
画像出典「Thomas W. Myers:Anatomy trains」
これは筋の機能的なつながりを表した筋膜解剖です。
ご覧のように、舌は呼吸の筋肉(横隔膜)や足を持ち上げる筋肉(腸骨筋や大腰筋)、足を踏ん張る筋肉などとの連結があるのです。
舌を動かすことで睡眠時無呼吸症候群でお困りの方に合併する頭痛や首の痛みが良くなると言いましたが、この筋の連結の影響で、呼吸筋の活性化により、胸郭(肺を覆っている肋骨の筋など)が緩み、呼吸と首の痛みが同時に緩和される仕組みになっているのです。
それだけではなく、腰や足の筋肉との連結もあるので、肩こり、腰痛、膝の痛みなど、全身的な症状に効果的なのです。
さらには、足の指の筋肉を動かすことで、話がしやすくなったという方も珍しくはありません。
舌を動かすことで何でも良くなると言うわけにはいきませんが、お手軽に試せる体操なので、まずは一度実践されてはいかがでしょうか。
体操も運動も「継続は力なり」です。
ぜひ継続していきましょう。
さて、次回の小西’コラムでは、頚の動きや痛みにかなり効果的な「おでこマッサージ」を紹介いたします。
ぜひ、ご期待下さいませ。
ライター / 小西貴(理学療法士)
医療法人 快生会 本部事務局
編集 / Medimarl