リバウンドさせずに長期的なダイエット効果を維持したいなら、基礎代謝を上げる事です。
そのために重要な事は筋肉量を増やすこと。少なくも食事制限から栄養不足になって、筋肉量を減らしてしまう事のないように気をつけなければいけません。筋肉量が落ちると基礎代謝が落ちるからです。
ちなみに、筋肉は栄養不足状態に陥ると真っ先に落ちていき、最後まで残るのが脂肪です。
今回の記事で説明するダイエット法の理論的背景は、最新の栄養学に由来するもので、筋肉量を落とさないようにするためには、どのような食事の摂り方をすれば良いかが分かります。
ダイエット中の栄養管理で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ダイエットしているなら、植物性よりも動物性タンパク質をとりましょう。
口から体内に入ったたんぱく質は、消化・分解されて、アミノ酸として体内に存在しています。
筋肉から分解されたアミノ酸も一緒になって、血液や細胞を満たす間質液などに遊離アミノ酸として存在しています。
人は、アミノ酸を材料として、心臓、肝臓、脳などの臓器や筋肉、神経伝達物質、抗体、ホルモン、酵素やヘモグロビンなど、生命活動に必要な様々なタンパク質を合成していきます。
細胞を再生させたり維持するためにはタンパク質が必要ですが、このタンパク質を構成するのがアミノ酸です。
タンパク質からアミノ酸に分解→必要量に応じてアミノ酸をもとにタンパク質を再合成
食事によって摂取したたんぱく質を分解してできたアミノ酸と、筋肉に存在しているたんぱく質の分解から得たアミノ酸をもとに、必要量に応じて、新たにタンパク質が合成することを繰り返しています。
①食事によって摂取したたんぱく質を分解してできたアミノ酸と、
②筋肉に存在しているたんぱく質の分解から得たアミノ酸は、
遊離アミノ酸として「血液」や「細胞を満たす間質液」に存在していて、常にある一定の範囲で濃度が保たれるようになっています。
遊離アミノ酸は、呼んで字のごとく、遊離できる状態になっていて細胞の中や血管の中を巡っています。
必要に応じてたんぱく質に再合成されます。
遊離アミノ酸となって血中や間質液中、細胞中を巡っている状態で、いつでもたんぱく質合成ができる状態を体内でキープしているのを、アミノ酸プールと呼んでいるのです。
そして、体内で最も大きなアミノ酸プールは骨格筋となっていて、全アミノ酸プールの 50%以上を占め、骨格筋1Kg重量あたり3~4gの遊離アミノ酸を貯蔵しているとされています。
補充する際は、筋肉のたんぱく質をアミノ酸に分解
アミノ酸プールが減ってくると、減った分を補充しようとします。
補充する分がどこから来るかと言うと、「筋肉に存在しているたんぱく質」を分解してアミノ酸を作り出します。
つまり、アミノ酸が少なくなると、筋肉にあるタンパク質を分解して補充するので、筋肉にとってはダメージです。
筋のタンパク質の分解で全てを補充できるわけではない。
実は、アミノ酸として分解できるのは、非必須アミノ酸だけで、必須アミノ酸は体内で合成する事ができないので、常に食べ物から摂取する必要があります。
必須アミノ酸は以下の9種類です。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- スレオニン
- リジン
非必須アミノ酸(11種)が不足した場合については、筋肉を分解して必要なアミノ酸を作り出すことができます。(筋肉を成長させるうえでは好ましくないが、生命維持のためには重要なものです。)
しかし、必須アミノ酸(9種)が不足した場合については、食事からの摂取量が不足したら必須アミノ酸からのタンパク合成はできなくなります。
必須アミノ酸の1種類でも欠けると、正常なタンパク質を作ることができなくなってしまいます。
9種類のアミノ酸をバランスよく摂取できなければ、体は少ないアミノ酸に合わせてタンパク質を合成する事しかできないので、一種類でも不足すれば、それ以外の足りているアミノ酸は、余分なアミノ酸として脂肪に変換されてしまいます。
アミノ酸のバランスが悪い食事をとると、かえって太りやすくなる点に注意が必要です。
必須アミノ酸を確実に摂るには、アミノ酸スコアを理解すること。
たんぱく質をしっかり摂っていれば、非必須アミノ酸(11種)については、不足分を自ら作り出す事が可能ですが、必須アミノ酸についてはそれができないので、必須アミノ酸が豊富に含まれている食品を意識して食べる必要があります。
答えは、アミノ酸スコア100の食品
では、どういったものを食べれば良いか?となるのですが、その答えは「アミノ酸スコア100の食品」です。
少し深掘りして解説していきます。
アミノ酸スコアといって、必須アミノ酸9種類が、バランスよく配合されているかどうかを示す指標があります。
「アミノ酸スコア100」の食品は、9種類の必須アミノ酸がすべて100%以上含有されている理想的なアミノ酸組成を持つ食品を指しています。
代表的なアミノ酸スコア100の食品としては、
- 鶏肉
- 牛乳
- 牛肉
- 豚肉
- 鮭
- 卵
などが挙げられます。
共通点としては、「動物性」の食品です。動物性タンパク質のほとんどが100点という高いスコアを示します。
多くの乳製品も高い数値を示し、プロセスチーズは91点となっています。
逆に、植物性タンパク質は、アミノ酸スコアは低めです。
同じタンパク質の量を摂取しても、大豆で摂る事と、肉で摂る事では、全然意味が違うという事です。
ダイエットしている人こそ、しっかりと動物性のタンパク質をとる必要があります。
植物性のタンパク質ばかりだとアミノ酸のバランスが悪くなり、摂取分がタンパク質に合成される事なく、脂肪に変換されてしまい逆効果となります。
ダイエットしているなら、植物性よりも動物性タンパク質をとりましょう。理由はアミノ酸スコアにあります。
もし、お肉や卵などの動物性タンパク質が苦手という方は、プロテインなどで補う事がおすすめですが、その際のプロテインを選ぶポイントは、言うまでもなくアミノ酸スコア100のプロテインです。