治療法

腰痛治療にも効果的なトリガーポイント療法を解説

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Dr.カール
痛み治療法の1つであるトリガーポイント療法に関する解説記事です。トリガーポイント療法は身体のあらゆる症状に適応可能ですが、ここでは、日本人の代表的な症状である腰部痛と頭痛・頸肩部痛に関連するトリガーポイントを紹介します。
全てを網羅的に紹介する事は不可能なので、臨床的に用いる事が多い、腰方形筋僧帽筋のトリガーポイントを例に紹介しています。
当記事で紹介している自己治療法を患者自身で実施する場合は、最新の注意を払い、必要に応じて専門家に指導してもらって下さい。
 

トリガーポイントとは?

トリガーポイント(Trigger point)とは、圧迫や針の刺入、加熱または冷却などによって、関連領域に「関連痛」という痛みを引き起こす体表上の部位のことを言います。
トリガーポイントは単なる圧痛点という事ではなく、関連痛を引き起こす部位である必要があります。
関連痛とは、例えば、本人が感じている「凝りの存在する部位」や、「痛みが存在する部位」を圧迫(指圧)した時に、そこが痛むだけでなく、その部位から離れた所に痛みが出たり、周囲に広がる痛みが起こる場合を言います。
疼痛を自覚している部位に多くは存在する事は多いのですが、実際に痛む部位とは、かけ離れた部位にトリガーポイントが出現する事もあり、これが、トリガーポイントの解釈を複雑にさせます。
トリガーとは、「引き金」を意味し、その引き金となる身体部位を刺激する事によって、痛み(関連痛)が起こる事を説明しています。
トリガーは、発痛点(はっつうてん)とも呼ばれます。
 
代表的なトリガーポイントについては、専門家によってまとめられていて、例えば、腰痛を抱えている人の場合は、腰痛を引き起こす可能性のあるトリガーポイントを一つずつ指圧していきます。
この時に、自身が抱える腰痛が再現された時に、この腰痛を引き起こすトリガーポイントを見つける事ができたと考えます。
ここからは、「腰・殿部痛」と「頭痛」に関係するトリガーポイントを例に出して解説していきます。
 
 

腰・殿部痛に効果を示すトリガーポイント

腰部痛を引き起こすトリガーポイントです。(公式Twitterより)


当記事では、腰方形筋のトリガーポイントについて解説していきます。
腰方形筋のトリガーポイントによる痛みは、股関節や殿部といったお尻やその横の痛みや、仙腸関節という骨盤の中にある関節の周囲で起きる事があります。
腰よりは少し低い位置、骨盤周辺に痛みを送ります。骨盤が痛いという患者さんは腰方形筋のトリガーポイントが原因かもしれません。
 

腰方形筋による痛み・関連痛

咳やくしゃみは鋭い刺痛をもたらし、動くのも億劫になるほどです。寝返りを打ったり、横たわる事もできない程の痛みを出す事があります。
時々、痛みは鼠径部と大腿全面(太ももの前)に痛みを感じる事もあります。硬くなった腰方形筋は骨盤の動きを制限し、股関節周囲の筋肉(小殿筋)に新たなトリガーポイントを生じさせ、さらには坐骨神経痛の症状を引き起こすなど問題をより複雑化していきます。
問題が大きくなれば、椎間板ヘルニアによる神経の痛み(坐骨神経痛)と間違われる事も多いです。


 

原因

見かけ上の左右の脚の長さや腕の長さの違いは、腰方形筋のトリガーポイントを引き起こします。多くの場合は、転倒や交通事故での損傷が引きがねとなります。バランスを崩した状態で捻る、または物を持ち上げた場合もこの筋肉を痛める原因になります。
腰方形筋は横たわるとより簡単に収縮を確認できます。腰の骨と最下位の肋骨の間に、指か母指を押し入れると硬い筋の壁に触れる事ができるはずです。

 

治療法

腰方形筋に痛みがある場合、いくつかの部位、特に腰椎と下部肋骨の付着部近くにトリガーポイントがある可能性があります。
※ 部位は上図を参照。
壁にボールを押し付ける方法も、腰方形筋をマッサージするのに有効な手段となります。壁に対して横向きに立ち、腕を身体から離して前方に出し、先ほど探した腰方形筋のトリガーポイントの位置にテニスボールを押し当てるようにします。


痛めやすい筋肉なので、日頃からケアしておく事をお勧めします。痛みが強くなると、自己治療が難しい筋肉です。自己治療による処置が功を奏さない場合は専門家の治療を受ける事を検討して下さい
 

頭痛に効果を示すトリガーポイント

頭痛、特に後頭部の痛みを引き起こすトリガーポイントには以下の筋が原因として挙げられます。


当記事では、頭痛に効果を示すトリガーポイントの1つとして、肩や背中(上背部)にも症状をきたしやすい代表的な筋肉の一つである「僧帽筋」のトリガーポイントを紹介します。
僧帽筋は、人体の中でも大きな筋肉の一つであり、トリガーポイントも複数存在する事が多いため、僧帽筋上部に存在する第1トリガーポイントのみの紹介となりますので詳細は成書をご参照ください。
 

僧帽筋による痛み・関連痛

僧帽筋は上背部に位置し、肩や首の運動に関わる重要な筋肉です。首の痛みや肩こり症状はもちろんの事、頭痛の主な原因にもなります。
僧帽筋が症状の原因である場合、こめかみ、側頭部、首の外側、肩甲骨、などに痛みが出現します。


 

原因

僧帽筋上部は、頭を下げたり横を向いたりする際に頭と首の重みを支える役割をしているため、座っていて前かがみになったり下を向く癖があったりして悪い姿勢が続くとトリガーポイントを形成する原因になります。また、猫背といわれるような姿勢の方は器質的に僧帽筋上部を痛めやすい方となります。

治療法

首の付け根になる僧帽筋の第1トリガーポイントは皮膚のすぐ下に存在するので、ごく浅い部分をつまむようにすれば見つけることができます。

親指と人差し指、中指でこの部分を転がすようにマッサージします。適度な強さでマッサージすれば、こめかみ痛(頭痛)を感じるかもしれません。また、頭痛の他に何かしらの症状が再現される方は、その症状の原因であることの証明であるといえます。)
筋の緊張が高く、このトリガーポイントを摘まみにくいという方は、手をポケットに入れて、僧帽筋の緊張を取り除く事で治療しやすくなると思います。
母指と人差し指を使う方法は指に負担がかかるので、ボールを壁と背中に挟んで、母指で支えながら押す方法もあります。

 

トリガーポイント療法の面白さ

直接的には疼痛部位とは関係のない所が、痛み(症状)の原因になっている場合があります。
その典型例として有名なのは、腰部痛を引き起こす「ヒラメ筋」です。
もし、腰をマッサージしても腰痛が何ら変わらないという場合は、ヒラメ筋が、腰痛の関連痛を引き起こしていないをチェックしてみましょう。
ヒラメ筋に指圧を加えた結果、日頃感じているような腰痛が関連痛として出現する場合は、ヒラメ筋へのトリガーポイント療法が腰痛治療になる可能性があります。


当サイトでは、自主トレや自宅リハビリで用いやすいトリガーポイントに絞って、自分でできるように、分かり易く解説していきます。
セルフケアに興味のある方は、めでぃまーるの自主トレ解説記事をチェックして下さい。
 

「トリガーポイント療法を解説」まとめ

トリガーポイント療法は筋肉を対象にした治療法であり、多くの治療家が少なからず利用している治療法だと思います。
当記事では、トリガーポイント療法についての説明と、
頭痛・頚肩部痛や腰部痛を引き起こしやすい代表的なトリガーポイントとして、僧帽筋と腰方形筋のトリガーポイント治療法を紹介しました。
ここでは、簡易的解説にとどまっていますので、詳細を知りたい人は成書をご参照下さい。
 

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