全人工膝関節置換術について
全人工膝関節置換術(TKA)は、変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節を、金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工膝関節で入れ替える手術です。
関節の一部のみを部分的に人工関節に変える場合は、人工膝関節単顆置換術(UKA)となります。
全置換術を行なった場合、痛みを起こしている関節(原因)を完全に取り除く事ができるため、変形由来の痛みがなくなったり、歩行能力が大幅に改善されます。
ただし、人工関節は、構造上の特徴により膝を深く曲げられなくなります。例えば、和式トイレにしゃがみ込む姿勢や、正座などをとるのは難しくなります。
手術について
膝の前面の皮膚を10~15cm程切開します。(膝前面に手術痕が残ります。)
患者さんの年齢や、変形の程度などにより、骨セメントを用いる方法とセメントを使用せずに直接骨に固定する方法のどちらかを担当医師の判断によって選択されます。
この違いにより、手術のスピードや術中・術後のリスクなどが変わります。
手術後の流れ
手術後は、まずは術創部の炎症や浮腫みが改善させる事を優先し、徐々に膝の筋力トレーニング、関節可動域訓練(ストレッチ)、歩行訓練、動作訓練などが行われます。
おおよそ1〜2週間程度で退院できますが、その後はリハビリ病院へ転院する場合と、外来整形外科クリニックに通院しながら外来リハビリを受ける場合があります。
TKAはすでに15~20年間の良好な長期成績が認められていますが、その後は、再置換術が必要となります。