股関節の構造(しくみ)とその特徴
股関節は、脚の付け根となる大関節で、その形状から脚をあらゆる角度に動かせる事ができる関節です。
肩関節と比較すると、動かせる範囲は狭いですが、前後方向、横方向、左右の捻りの動きなど3次元で動かせる(自由度3)関節です。
大腿骨(だいたいこつ)の上端にある丸い球体になった骨頭(こっとう)と呼ばれる部分と、骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれる深みのある受け皿にはまり込むような形になっています。
正常な股関節では、寛骨臼が骨頭のほとんど(約4/5)を包み込む事で、股関節の安定性を作っています。
両側の連結度が高く、臼状関節と呼ばれる形状をしています。
股関節の動きに関連する筋肉
主作用筋肉 | 補助筋 | |
屈曲 | 腸腰筋(大腰筋・小腰筋・腸骨筋) | 縫工筋、大腿直筋、恥骨筋 |
伸展 | 大殿筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋 | |
外転 | 中殿筋、小殿筋 | 大腿筋膜張筋 |
内転 | 大内転筋 | 短内転筋、長内転筋、腸腰筋、 |
外旋 | 梨状筋、内閉鎖筋、上・下双子筋、大腿方形筋 | 腸腰筋 |
内旋 | 大腿筋膜張筋、小殿筋、中殿筋、大内転筋、大腿屈筋群 |
股関節運動の特徴
屈曲 | 0度〜125度 |
伸展 | 0度〜15度 |
外転 | 0度〜45度 |
内転 | 0度〜45度 |
外旋 | 0度〜45度 |
内旋 | 0度〜45度 |
股関節の代表的な病気・疾患
- 変形性股関節症
- 先天性股関節脱臼、前股関節症
- 大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折
- 大腿骨頭壊死症
- 転移性腫瘍
- 関節リウマチ
- ペルテス病
- 単純性股関節炎
- 大腿骨頭すべり症
- 急性化膿性股関節炎
- 骨盤・大腿骨の腫瘍性疾患
- 強直性脊椎炎
- 股関節結核、大転子結核