なぜ、健康なのに「がん検診」をやる必要があるの?
検診は、自覚症状が無い時点から行われます。がん検診についても、もちろん健康な人こそやる必要があります。
仮に、がんになっていたとしても、進行していない状態で発見することが出来ます。
がんの中には、早期発見、早期治療で治るものがあります。
症状が出てくる前の早い段階で発見できれば治療できるがんについては、とくに早期発見の重要度が高くなります。
もし、早期発見できていれば治っていたはずのがんも、症状を進行してから発見された場合では、すでに治療のタイミングを失ってしまう可能性があるからです。
がん検診による早期発見が特に重要な4つのがん
がん検診の目的は、単純に身体に隠れたがんを発見したいのではなく、早期発見さえすれば治療できるがんを見逃さない事にあります。
現在、早期発見し治療を行う事ができれば9割以上の方で治るとされているのが、以下の4つのがんです。
- 胃がん
- 大腸がん
- 子宮頸がん
- 乳がん
がん検診のメリット:がんになる前の病変を早期に発見できる事も
がんの早期はもちろんですが、がんになる前の前がん病変の状態で発見できる事もあります。
- 子宮頸部異型上皮
- 大腸腺腫(ポリープ)
子宮頸がんにおける異型上皮や、大腸がんにおける大腸腺腫(ポリープ)が「前がん病変」にあたります。
このような前がん病変は、治療により、「がん」になることを防ぐことができます。
ですので、「検診でがんが見つかると怖いから受けない」という考えではなく、「早い段階で見つける事ができれば、対策をうてるので、凄く運が良い事」と考えて、積極的にがん検診を受ける事が大切です。
市区町村で行われるがん検診の種類
市区町村が主体となって行われる対策型の「がん検診」には現在、5種類があります。
- 胃がん検診
- 大腸ガン検診
- 肺がん検診
- 乳がん検診
- 子宮頸がん検診
肺がんを除き、早期発見により9割以上の方が治るとされているがんです。
ちなみに、胃がん検診は50歳以上、大腸ガン・肺がん・乳がん検診は40歳以上、子宮頸がん検診は20歳以上が対象年齢です。
検診の頻度は、肺がん・大腸がん検診は年に1回行われ、胃がん・子宮頸がん・乳がん検診は2年に1回となっています。
対策型のがん検診とは?
対策型のがん検診は、早期発見・早期治療に取り組み、がん死亡率の減少を図る事を目的として実施される公共的な医療サービスです。
公的な予防対策として行われる検診であるため、検診費用は無料もしくは、少額の自己負担で受ける事ができるようになっています。
市区町村のほか、職域・医療保険者等の保健事業として行っているケースもあります。
もし、がん検診に行けない場合
がん検診については、どういった理由があろうとも行くべきとアドバイスします。
しかし、現実問題として、何らかの理由で行けない場合もあります。また、子宮頸がん検診を除き、40代以上・50代以上が対象となっています。
もし、検診対象年齢になる前に簡易的な検査を受けたいと考えた場合は、一つの代替手段としては、遺伝子検査などで、少なくとも遺伝性のリスクがないかを確認しておく事は可能です。
もし、検査にひっかるようであれば、自費とはなりますが病院での精密検査を検討する事もできます。
早期発見が重要となる以下のがんについてはもちろん、その他のがんの遺伝子リスクをチェックする事ができます。
- 胃がん(噴門部胃がん)
- 胃がん
- 胃がん(びまん性胃がん、未分化型胃がん)
- 乳がん
- 子宮頸がん
- 子宮体がん(子宮内膜がん)
- 大腸がん
遺伝子検査によって分かる、その他のがんの遺伝子リスク項目についてはこちら
(準備中)
がんは早期発見できないから恐ろしい
がんは不治の病とされてきました。もちろん、治療が難しケースが多くあるのは事実です。
しかし、早期発見さえできれば、完治させる事ができるがんが増えているのも事実です。
「がん」は恐ろしい病気の一つではありますが、本当に恐ろしい理由は、かなり状態が悪くならないと気づけないという特徴によるものです。
体調の異変が長く続く事が気になって、外来を受診したら、すでにステージ4になっているという場合です。
がん検診で行われている対象のがんは、まさに早期発見できれば、過度に恐る必要のないものです。
必ず、がん検診を受けてください。そして、毎年定期的に(乳がんや子宮頸がんは2年に1度)、がん検診を続ける事が一番の予防につながります。