公益社団法人日本看護協会(会長・坂本すが、会員数 71 万人)により行われた「2016年病院看護実態調査」の調査結果では、看護師の離職率は常勤10.9%、新卒7.8%で横ばい状態となっています。
この調査は、病院看護職員の需給動向や労働状況、看護業務の実態などの把握を目的として、全国の病院の看護部長を対象に毎年実施している調査です。
2016年の調査では、例年調査している看護職員の離職率や給与の状況とともに、看護職員の充足状況や、夜勤・交代制勤務の状況、2016年度診療報酬改定後の病院の対応などについて調査されています。
ここでは、常勤看護職員と新卒看護職員の離職率について限定して、2016 年 病院看護実態調査の結果を紹介していきます。
常勤看護職員離職率
2015年 | 常勤看護職員離職率 | 前年度比 |
調査結果 | 10.9% | 0.1ポイント増 |
2010年度に11.0%を記録して以降、ほぼ横ばいの状況が続いています。(下記、線グラフの緑色部分)
新卒看護職員離職率
2015年 | 新卒看護職員離職率 | 前年度比 |
調査結果 | 7.8% | 0.3ポイント増 |
2011年度に、前年度の 8.1%から 7.5%に減少して以降、7%台後半で推移しています。(下記、線グラフの黄色部分)
2011年から2015年までの看護師離職率
転職者を含め、離職率が高いのは小規模病院
回答病院数 | 常勤看護職員 | 新卒看護職員 | |
全 体 | 3,069 | 10.9% | 7.8% |
99 床以下 | 741 | 12.3% | 13.9% |
100~199 床 | 989 | 12.2% | 10.1% |
200~299 床 | 456 | 11.4% | 8.4% |
300~399 床 | 345 | 11.0% | 8.0% |
400~499 床 | 235 | 10.2% | 7.8% |
500 床以上 | 288 | 10.2% | 7.0% |
無回答・不明 | 15 | 12.8% | 5.6% |
その他、離職率に関する情報をいくつかダイジェストでお伝え!
- 常勤・新卒ともに、離職率が相対的に高いのは「個人」病院で、常勤 17.3%、新卒 17.6%となっている。
- 常勤の離職率は高い順に、東京都(14.4%)、神奈川県(13.9%)、大阪府(13.1%)、埼玉県(12.7%)などであり、大都市部で高い傾向が継続している。
- 夜勤時間の長い看護職員が多い病院ほど離職率が高い傾向も見られる。
新卒看護師でも、常にある一定数(新人看護師100人に対して7人〜13人:平均7.8%)が毎年退職しているようです。この傾向は、個人病院や小規模病院に多い傾向です。
大きい病院に勤務している看護師の場合は、他よりも離職率が低い結果となっています。
離職者の多くが、転職となっていますが、なかには看護師としては働かずに潜在看護師となる人もいます。
ちなみに、、、。
離職率が低いとされている大規模病院ですが、大規模病院を1000床以上と定義した場合、その数はどれくらいに上るかをご存知でしょうか?
日本の大規模(1000床以上)病院について、以下の記事で触れています。大規模病院への転職に興味がある人は合わせてご確認下さい。
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