そもそも、学士の学位とは?
一般的に、
大学の学士課程(学部)を卒業した者に対して授与される公的な称号のことを言います。
日本の大学の学士課程では、特定の専攻について専門の学芸を体系的に履修するとともに、幅広く深い教養および総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養(かんよう=無理をしないでゆっくりと養い育てること)することが求められています。
学士の学位は、
- 特定の専攻について専門の学芸を持っている。
- 幅広く深い教養および総合的な判断力がある。
このような能力を、ゆっくりと養い育てたことの証として、大学もしくは、学位授与機構によってその卒業者に授与されるものです。
例えば、専門的な能力があっても、所定の機関で体系的に、かつ一定期間(編入学以外の場合は、通常4年)しっかりと学ぶ時間をかけて学ばなければ、学士の学位には値しないという事です。
看護師が学士を取得する際に選ぶ方法は、
- 放送大学を卒業し、学士の学位を取得する。
- 学位授与機構を利用して学士の学位を取得する。
この二つの方法があるのですが、このページでは学士の学位を取得する方法の違いを説明していきます。
学位授与機構とは?
独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(だいがくかいかくしえん・がくいじゅよきこう)は、文部科学省所管の独立行政法人で、国内唯一の大学以外の学位を授与する機関であり、大学評価機関でもあります。
学士をとる際の放送大学と学位授与機構の違い
まず、放送大学の場合ですが、
全科履修生として放送大学に入学し、所定の124単位以上を修得し、4年以上在学すると卒業する事ができます。
卒業時に放送大学から学士(教養)の学位が授与されます。
気をつけてほしいのが、看護学の学士ではなく、教養の学士という点に注意して下さい。
放送大学では、学士の学位を取得できますが、看護学の学士は放送大学から授与されるわけではありません。
看護学の学士を取得するには、「学位授与機構を利用して取得する」という事になります。
- 基礎資格を有する者に該当する
- 大学等で所定の単位を取得し、「学修成果(レポート)」の作成
- 学位授与機構に申請
- 試験を受け審査に合格
する事で、学位授与機構から学士(看護学)の学位が授与されます。
「基礎資格を有する者」
主に短期大学卒業者や高等専門学校卒業者のうち、一定の基礎資格を満たす者は学士を申請することができ、審査、試験に合格すれば、学士の学位が授与されます。
- 基礎資格は短期大学ないし高等専門学校を卒業している者
- 大学に2年以上在学し、62単位を取得している者
- 大学への編入資格のある専門学校(2年制以上)を卒業している者
- 大学への編入資格のある高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)の専攻科の課程を修了した者
なお、この大学学部に在籍している者が学位を申請することは認められていないが、既に大学学部を卒業して当該大学において学士の学位を授与された者であっても、大学改革支援・学位授与機構に学士の学位を申請すること、および大学院修士課程、博士課程、専門職大学院などに在籍している者が学士の学位を申請することは可能となっています。
「基礎資格を有する者」に該当しているかどうかは、ご自身の卒業した学校に確認するとすぐに分かります。
学位授与機構を利用するために、放送大学にて、
上記であげた2〜4(大学等で所定の単位を取得し、「学修成果(レポート)」の作成し、学位授与機構に申請し、試験を受け審査に合格する)を満たすために、入学するという流れになります。
もし、
教養学がとりたければ、全科履修生として放送大学に入学し、
看護学士をとりたければ、学位授与機構を利用するために放送大学に必要科目の履修のために入学し、条件が揃い次第、卒業し学位授与機構に申請する流れとなります。
学士(看護学)の学位を取得するためには、「学位授与機構を利用して取得する」事になりますが、そもそも、「基礎資格を有する者」である必要があります。
これについては、卒業した学校に直接問い合わせて確認する事ができますので、必ず確認して下さい。
基礎資格を、①有する場合と、②有さない場合で進む方向が大きく変わります。この二つのパターンに分けて説明するので、まずは自身が「基礎資格を有する者」であるかを確認して下さい。