腰の痛み

馬尾とは?馬尾神経の構造に関する解説(馬尾症候群、馬尾神経障害)

更新日:

馬尾とは?

背骨の中には、神経の通り道があります。この神経の通り道を脊柱管と呼びます。

脊柱管の中を通る神経には、脊髄神経と馬尾神経があります。尾骨神経は、脊柱管内から椎間孔を通過して脊椎の外に出るまで、ほとんど終糸に併行し脊髄神経根の束となって下方へ走行しています。

この束になっている形が馬の尻尾に似た形をしている事から、この部位を馬尾(馬尾神経)と呼んでいます。

 

馬尾神経神経がヘルニアで圧迫 → 馬尾神経障害

脊柱管の中を通る神経が圧迫されると、その圧迫される位置(どの神経を圧迫するか?)によって、種々の症状が出現します。

神経が圧迫を受けて障害を受ける症状を、ひとまとめにして「神経障害」と呼び、神経障害の程度が強くなると、筋力低下、感覚障害、膀胱直腸障害、神経障害性疼痛などにより日常生活に影響を受けるようになります。

腰の位置には脊髄神経はない為、腰部椎間板ヘルニアでは脊髄が圧迫を受ける事はなく、神経根(馬尾神経を構成する神経)を圧迫します。

神経を強く圧迫したり、そこで炎症が起こると、椎間板ヘルニアによる神経障害性疼痛が出現するようになります。

腰部椎間板ヘルニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。この記事と合わせて読むと理解が深まるかと思います。

腰部椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの症状や原因、治療法について詳しく解説 ※ 1〜5は医療従事者向けの内容になっています。 症状・特徴 原因・病態 診断方法 治療 リハビリ 患者さん向けアドバイス   椎間板ヘ ...

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馬尾神経障害、馬尾症候群の診断

馬尾症候群の診断は、まずは問診によって、以下の症状が出現していないかを確認します。

  • 強い腰下肢痛がある
  • 下肢の感覚が鈍い
  • 足の力が弱い
  • 尿が出ない

このような症状が出現している場合、神経学的検査(筋力テスト、知覚テスト)や画像検査、膀胱機能検査などで診断します。

神経学的検査は、神経の機能がしっかりと働いているかをチェックする検査で、レントゲン撮影や、MRIなどの画像検査は、神経の働らきが悪くなっている理由として、神経を圧迫したり、神経の通り道を細くさせている構造的な異常がないかをチェックしています。

もし、これらの検査所見が一致すれば、診断は比較的容易な整形外科の病気です。

もし、原因として膿瘍や転移性腫瘍が疑われる場合には、血液検査や内臓疾患の有無まで調べる必要があります。

 

馬尾神経障害、馬尾症候群の治療

馬尾症候群の診断が確定すれば、できる限り早い段階での治療が必要です。

神経は、長い期間働きが悪くなったのを放置してしまうと、治療してもなかなか働きが戻ってこない事もあります。

また、馬尾神経の特徴でもある膀胱直腸障害は、排便排尿に大きな支障をきたし、日常生活は大きく制限を受ける事になります。

馬尾の腫れが確認できる場合は、腫れを軽減させるために、ステロイド薬が投与する場合があります。ヘルニアや脊柱管狭窄症によって圧迫を受けている場合は、それぞれの治療により馬尾神経の圧迫を軽減する手術をできるだけ早く行わなければいけません。

急性の腰椎椎間板ヘルニアや硬膜外血腫、脊椎破裂骨折などが原因の馬尾症候群は、24時間経過すると神経症状の回復が不良とされていて、緊急手術が必要になります。

一方、感染や血液・内臓疾患がその原因であれば、並行して原因となった疾患の治療を行います。

馬尾神経症候群、馬尾神経障害は、何が原因で起こっているかによって選択する治療法が変わってきます。

 

馬尾神経の構造に関する追加記事

先日、あの人気の解剖学テキスト「プロメテウス」が馬尾神経の構造を間違って記載している事を、ツイッターで呟きました。

下に添付したのが、その時のツイートです。↓

ゆいちゃん
はじめて見たという方は、まだリツイートをお待ちしております。みんなの力で次回の改訂版では修正させちゃいましょう。

 

プロメテウスの間違いを発見!

多くの「リツイート&いいね」をもらったので、「せっかくだから、もっと良い画像をアップしたいな」と思い、パソコンのデータを隈なく探してみました。

 

ちなみに前回挙げた記事での画像がこちらです↓

第4腰椎椎体高位の横断像です。硬膜内の神経根の束(馬尾)は頭側から尾側に向かって硬膜から分岐する順に従って外側から中央へ規則正しく位置しています。

 

もっと良い馬尾神経・脊髄神経の画像がありました。

「Th10/11レベル」

「L1/2レベル」

引用:最新整形外科学大系の【10.脊椎・脊髄】

このように、脊柱管内の神経系の構造は規則正しく配列されています。尾側に行くに従って、脊柱管内を占める馬尾神経は少なくなり、後方のみに存在するようになります。

その高位がL4椎体高位です。上記、二つの画像との繋がりをイメージすると、馬尾神経の配列が理解しやすいかと思います。


引用:最新整形外科学大系の【10.脊椎・脊髄】

 

 

なぜ、この構造を理解する必要性があるか?

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症といった脊柱管内の神経組織に圧迫・損傷を引き起こす疾患の「症状のメカニズム」を理解するために重要です。

もしランダムな並びであるなら、高位診断というものが難しくなります。MRIで占拠性病変を確認をしても、その占拠性病変が何を圧迫しているかがわからなくなってしまうからです。

 

では、もう一度プロメテウスを。。

イラストにある中心性のヘルニア(central herniation)は何を圧迫しているのでしょうか?

やっぱり、間違っていますよね。

イラストがとても綺麗なぶん、余計に残念です。実は、この間違いは多くの解剖学書が犯しているミスです。他の解剖学書も含めて、馬尾神経の構造が忠実に再現されていないのは非常に残念です。

(医学書院のプロメテウス担当者にとどきますように。。。)

 

「馬尾神経の構造に関する追加記事」まとめ

「人気解剖学書プロメテウスの間違いを発見!」というツイート&個別記事の続編です。

馬尾神経や脊髄円錐部でのより詳しい解剖イラストが見つかったので、ここで紹介させて頂きました。

最後まで読んで頂き有難うございました。多くの教科書が間違った構造を記載しているので、この正しい解剖を知らないセラピストは多くいると思っています。今回の投稿で、この情報をより多くのセラピスト間で共有できると幸いです。ご協力頂ける方はSNSによる拡散を宜しくお願いします。

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ゆいちゃん
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