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腰部椎間板ヘルニアの原因や、診断方法に関する説明

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椎間板ヘルニアの原因・病態

椎間板は、線維輪と髄核から構成されています。

椎間板の線維輪が損傷して、中にある髄核が出てきて神経を圧迫する事により症状が出るのが椎間板ヘルニアの病態です。

損傷の原因としては、椎間板が加齢などにより退行変性した結果だったり、悪い姿勢や作業などによって過度なストレスを加えた事によって起こります。

たった1回の強い負担よりも、持続した負担やその反復によって椎間板は損傷を受けます。

転落などの急激な負荷には比較的強いので、その時に損傷を受けるの椎骨(椎体)の方が多く、圧迫骨折や椎体破裂骨折となります。

椎間板ヘルニアの場合は、持続的な不可が加わり続け、少しずつ損傷が進んだ状態が前提として、突発的な動き・負荷(くしゃみ等で起こる場合もある)などによって、急性発症する場合もあります。

椎間板ヘルニアの診断方法

患者本人の訴える症状や問診の結果と、「神経学的所見」「画像所見」が一致するかで診断が決まります。

MRIで椎間板ヘルニアを示す画像所見があったとしても神経学的所見や症状と一致しない場合は「無症候性ヘルニア」である可能性が高いです。

椎間板ヘルニアの症状については、以下の記事で詳しく解説しています。

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腰部椎間板ヘルニアの症状、原因(病態)、診断について

  腰部椎間板ヘルニアとは? 腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板髄核という組織が、飛び出てくる事より、腰の神経を圧迫・絞扼したり炎症を引き起こす事によって神経症状を引き起こす整形外科疾患です。 最初に損傷が起きているのは椎間板ですが、その損傷が、隣接す ...

 

整形外科的テスト・徒手検査

椎間板ヘルニアの診断において最も重要とされているのは、SLRT(エスエルアールテスト、下肢伸展挙上試験:膝を伸ばしたまま下肢を挙上し坐骨神経痛の出現を見る)とされています。

SLRTは70°以下で陽性だが、症状側のみで陽性である必要があります。

ハムストリングスの硬さによる影響などを考慮するために、ブラガードテスト、シカールテストなどの関連検査も組み合わせて行います。

症状反対側のSLRTで、症状側の腰下肢痛を再現できた時は、クロスSLRサインと言って、椎間板ヘルニアである可能性をより高い(特異度90%)とされています。

 

神経学的検査

  • 運動検査
  • 感覚検査
  • 反射検査

神経学的検査では、下肢の感覚が鈍いかどうか(感覚障害)、足の力が弱くなっていないか(運動麻痺)等を確認します。

「痛みが出ている所の感覚や筋力がどうなっているか」ではなく、「神経根障害を思わせる所見が出ていないか」を確認します。

一般的に用いられる検査項目を、整理したものが以下の表です。

L4 L5 S1
責任椎間 L3/4 L4/5 L5/S
腱反射 膝蓋腱 (−) アキレス腱
感覚障害 膝の内側から下腿の内側

母趾

下腿外側から足の甲(足背)

足趾Ⅱ〜Ⅳ

下腿後面

小趾

筋力低下 大腿四頭筋 前脛骨筋

長母趾伸筋

長趾伸筋

下腿三頭筋

長母趾屈筋

長趾屈筋

例えば、腰の4番目の骨(第4腰椎)と、5番目の骨(第5腰椎)の間にある椎間板に損傷が起こり、神経を圧迫する腰部椎間板ヘルニアが起こったとします。

この場合に、影響を受ける神経はL5(エル5)と呼ばれる神経です。

検査所見としては、足首や足の親指を反らす筋肉に筋力低下が起こります、

また、足の甲の中央部分の感覚が低下する感覚障害が起こります。

これらの検査は、患者自身で気づいているというよりは、丁寧な診察を行なった時に初めて気づくという場合が多いです。

感覚障害が軽度の場合は、針を使用して痛覚検査を丁寧に行わないと確認できない事が多いです。

触覚検査用の筆で、軽く触れて左右差を比較する方法だと、微細な感覚障害を抽出できていない可能性があります。

「椎間板ヘルニア」かどうかを確認するためには、画像検査異常に、診察時の筋力検査や感覚検査、反射検査(「かっけ」など)といった、実際に触って動かして調べる検査が重要とされています。

Dr.カール
ポイント解説

椎間板ヘルニアと診断された時は、必ず「MRI検査をやってもらったか?」という事と、「筋力検査や感覚検査を丁寧に実施してもらったか?」という事を確認しておいてください。

画像検査をやらなければ、椎間板ヘルニアであるかどうかの確認はできませんが、しっかりとした診察(身体検査)をやらなければ、画像上のヘルニアが悪さをしているかどうかが分かりません。

 

画像所見(MRI、レントゲン)

レントゲンだけでは、椎間板ヘルニアの存在を把握する事は不可能で、主にMRIによって、椎間板ヘルニアの有無を確認します。

また、炎症がある場合のMRI所見は、T1でlow、T2でhighになり、さらに脂肪抑制でもhighに写っていれば、そこに炎症がある事を示唆します。これによって急性・亜急性のヘルニアか、陳旧性のヘルニアかを見極める事ができます。

遊離ヘルニアか、脱出ヘルニアかの判断は、椎間板ヘルニアとの連続性があるかで確認できます。

必要であれば、造影検査で確認する事も可能で、責任椎間板に造影剤を注入後に、透視像で連続性があれば脱出ヘルニアで、ない場合は遊離ヘルニアが考えられます。

膨隆(バルージング)と脱出ヘルニアの違いは、ヘルニア最大径の位置が、椎間板外縁に接しているか否かで見極める事ができます。

椎間板ヘルニアの画像診断の基本はMRIになりますが、レントゲンでも、椎骨どうしの位置関係や、椎間板の厚み(椎間板高)はチェックできるので、「どこの椎間に問題がありそうか?」「他椎間と比較して、高度に損傷している椎間板はないか」などをチェックする事が可能です。

脊椎の動きを捉えたい場合、MRIで映し出す事はできません。

例えば、「脊椎が不安定」「背骨がゆるくて動きが大きい」などと言ったりしますが、これを調べるためにはレントゲンで、腰を曲げた時の映像と腰を反らした時の映像を比較して、どこの背骨が動きすぎているかをチェックしたりします。

画像検査については、医学的知識のない人が自分の画像を読影(見て判断)するのは難しいので、わからない事があれば主治医の先生に積極的に聞いて、どこが悪さをしているのかをしっかりと教えてもらいましょう。

 

椎間板ヘルニアの鑑別疾患

下肢症状を訴える疾患は鑑別疾患の範囲になりますが、症状の原因として多いのは、腰部の神経や骨、筋肉の痛みなどです。

神経症状で主なものとしては脊柱管狭窄症です。

痺れ症状は、代謝性疾患や末梢血管障害によっても起こるので、基礎疾患の有無も確認している事が重要です。

骨の痛みとしては、骨粗しょう症、圧迫骨折が、関節の場合だと変形性腰椎症・椎間関節症、変性側湾症などが挙げられます。

腰部という解剖学的に密集しているところで、たった1つの組織だけが損傷している可能性は低く、多くの場合で骨・関節の問題と神経の問題、そして筋肉(筋膜も含め)の問題などが複合している事が多いので、他の部位を予測させるような症状が出ていないかの確認が重要になります。

内科系疾患としては、腎結石などの腎臓由来の腰痛や、骨盤内臓器(前立腺炎・前立腺癌、子宮内膜症などの婦人科疾患)に注意が必要です。これらの内科の病気は、腰痛を起こす代表的な病気です。

 

腰部椎間板ヘルニアの診断方法の解説まとめ

腰部椎間板ヘルニアは、MRIによって、診断する事ができますが、重要な事は、椎間板ヘルニアを疑う症状が出ているかです。

椎間板ヘルニアを疑う所見としては、腰痛よりも、片側下肢の症状を強く訴え、SLRテスト(エスエルアール テスト)を実施すると70度以上あげる事ができない場合で、その他には、足に筋力低下や感覚障害の出現などです。

これらの身体に触れて行う検査をしっかり行なった上で、MRIと照らし合わせながら確認する必要があります。

専門家の中には、「安易に椎間板ヘルニアの診断がされている」という意見もあります。丁寧な診察をしてもらっているかについては、患者自身で気づく必要があります。

もし、丁寧な身体検査がされる事なく腰椎椎間板ヘルニアと言われた場合はセカンドオピニオンを検討する事も視野に入れておいて下さい。

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