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治療法

筋トレが血糖値を下げる。筋力トレーニングは、糖尿病患者にも有効な治療法!

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筋収縮が行われると、血糖値を下げる事が分かっています。

身体を動かす(筋肉を動かす)ためにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギー源として「糖」を効果的に使用するのが筋肉なのです。

これは、筋トレによって血糖値を下げる事ができる事を意味します。仮に、糖尿病になってインスリン分泌機能が低下している人でも、筋トレによって効果的に血糖値を下げられる可能性があります。

 

筋肉は血糖を大量に消費する器官です。

筋肉は人の体重の約70%を占めています。また小さな筋肉も含めると実に600種類も筋肉があります。

この筋肉のうち、骨格筋と呼ばれる「体を動かすことが主な役割の筋肉」は体重の30%〜40%の重さになる人体最大の器官です。

これまで筋肉は、単純に身体を動かすためと考えられていましたが、その役割を達成するために、摂取した糖の約70%を消費している事から、血糖値を下げるための重要な器官とも考える事もできます。

 

血糖値を下げるホルモンは、インスリンだけ

体内の血糖値が上がりすぎると膵臓のランゲルハンス島のβ細胞からインスリンというホルモンが分泌されます。実は、血糖値を下げてくれるホルモンは、1つしか存在しないのに対し、血糖値を上昇させるホルモンは多数存在します。

 

血糖値を上昇させるホルモンVS体内の血糖値を下降させるホルモン

血糖値上昇ホルモン 血糖値下降ホルモン

アドレナリン

ノルアドレナリン

グルカゴン

コルチゾール

成長ホルモン

 インスリン

血糖値を上昇させるホルモンが多く、下降させるホルモンは「インスリン」の1つしかない理由は、狩猟生活で飢餓状態になるリスクが高かった頃の名残と考えられています。

人の身体は血糖が高くなりすぎるリスクより、低血糖になって動けなくなるリスクの方が高かったので、低血糖になって体が動かなくならないよう血糖値を上げる(保つ)ホルモンが多く備わっています。

逆に血糖値を自ら下げる能力があまり必要無かったのです。

 

インスリンと同じように働くのが筋肉

この貴重なインスリンと同じように「血糖値を下降させる機能」を持っているのが筋肉なのです。

骨格筋が働くと物理的な動きで、グルット4(細胞内に血糖を運び込む輸送体)が取り込まれ血糖が細胞内に取り込まれます。

筋肉の収縮という物理的な刺激によって、インスリンを使用せずに血糖を細胞に取り込む事ができるのです。骨格筋の収縮による血糖の取り込みは、インスリンとは違う経路をたどるとされています。

少し難しい言葉が出てきて「?」となる方は、筋収縮によって体内の糖分を使う(減らす)と覚えて下さい。

 

つまり、インスリンの分泌量が低下していても大丈夫

日本人に多い2型糖尿病は、インスリン分泌力が低下している状態です。この2型糖尿病は、さらにインスリン抵抗性という、インスリンがより働きにくい状態にもなっています。

インスリン抵抗性とは、インスリンがあっても効き目が鈍くなっている状態の事を言います。

血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンに反応しにくくなっているという事は、もはや体の中には血糖値を下げる働きがなくなっているという事です。

インスリンが枯渇していて、さらにインスリンにも反応しにくい状態になっている糖尿病患者にとっては、骨格筋の収縮による物理的な刺激で糖を細胞に取り込めるというのは非常に重要な事なのです。

さらに、運動には骨格筋のインスリン感受性を改善させる働きもあるので、筋収縮は血糖値コントロールに関する二つの側面から非常に重要な事なのです。

 

筋トレによって「痩せる&太りにくい」効果も期待

筋肉が収縮する事による糖の取り込みは物理的な働きという事を理解すると分かりやすいと思いますが、筋肉は使う部分に蓄えられた「筋グリコーゲンを使う」とされています。

つまり、痩せたい場合はしっかりと筋トレする事によって、体内に蓄積された脂肪の分解が行われやすいと考えられています。

ゆいちゃん

グリコーゲンとは、簡単に言うと、「動物の体内でエネルギーを一時的に保存しておくための物質」です。

その分子は、いちばんエネルギーに変換しやすい栄養素である糖質がたくさんつながった構造になっています。

エネルギーが必要な時には、このグリコーゲンをどんどん分解して糖質を取り出すことができます。グリコーゲンを内臓や筋肉に蓄えておくと、運動をする時にこれを利用して体を動かせるというわけです。

筋肉内のグリコーゲンタンクは約1000kcla、肝臓内のグリコーゲンタンクは約350kcalを蓄えることができます。このタンク容量からオーバーした余分なブドウ糖は中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄えられます。

貯蔵した脂肪細胞を分解するのは、筋肉を活動させる事が必要です。

 

筋グリコーゲンの貯蔵庫の役割。ちなみに体内のグリコーゲンは以下の臓器に貯蔵されています。

骨格筋 78%
肝臓 14%
血液中 8%

表の通り、筋肉と肝臓を合わせると9割もの容量をしめています。

食事をすると、まずはグリコーゲンタンクを満タンにしようとするので、太りにくい食べ方というのは、筋肉と肝臓のグリコーゲンタンクが少ない状態で食事をすることとなります。

このグリコーゲンタンクが満タンの時に摂取した糖分は全て、中性脂肪に変換されてしまうからです。

筋肉に貯蔵される総量は、1000kcalとなっているので、食事前にしっかりと筋トレをして、グリコーゲンタンクを減らす事ができれば、脂肪にたまりづらくなる(太りににくくなる)と言えるのです。

 






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