病気・怪我の解説 腰痛症

坐骨神経痛の原因はヘルニアって本当? 病院での薬・手術と整体や筋トレどっちが治る?

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坐骨神経痛について

腰痛症にも色々な種類があり、腰痛のほかに下肢痛や下肢の痺れを伴うものと、伴わないものがあります。

下肢とは、太ももから足にかけての部分の事で、この部分に痺れや痛みが慢性的に続くと、一般の人でも「坐骨神経痛」ではないかと思うぐらいに名前が知られている症状です。

坐骨神経痛には大まかに2種類

坐骨神経痛には大まかに2種類あり、主に若い人が多くかかえるのが「腰椎椎間板ヘルニア」で、中年から高齢の人は「腰部脊柱管狭窄症」になります。

腰椎椎間板ヘルニアはよく知られているでしょうが、脊柱管狭窄症はあまり知られていません。

腰椎椎間板ヘルニアは手術法がすでに進歩していることもあり、患者数は減少傾向にあります。
しかし、脊柱管狭窄症は、中高年以降の人を中心にどんどん増加しています。

これは高齢者とともに体を支えている骨や関節、筋肉、靭帯も衰えてくるためですが、症状がひどい場合は失禁、中には痛みのために歩けなくなる方もいます。

また、世界には例を見ない高齢化が進んでいる日本では、坐骨神経痛や腰痛を訴える人の増加は、いわば、必然的なものです。医療の進歩にも関わらず、団塊の世代の皆さんが年をとるため、今後10年は坐骨神経痛や腰痛を訴える人の数はますます増えていくことが予測されます。

しかし、軽症であれば日常生活動作や姿勢の注意、運動療法・ストレッチなどで、十分予防することができます。

そのためにはいろいろな坐骨神経痛の特徴をよく理解することも大切です。

 

世界に例を見ない高齢化が進む日本。今後10年間は患者が増え続けます。

年を重ねるとともに体を支えている骨や関節、筋肉、靭帯も衰えていきます。

これは、運動器に限らず、皮膚のたるみや頭髪が抜けているのと同じ老化と言われるものです。

そのため、年を重ねるごとに身体の組織は老朽化していき、腰痛を慢性的に訴える人が増えてくるのです。

日本人の8割が、生涯のうち必ず一度は腰痛を経験すると言われています。

人間が二足歩行をするようになってから、重い頭を支えているため、それは宿命なのかもしれません。

また、腰痛だけでなく、中にはお尻や太もも、足などの下肢に痺れや痛みが続いたりして、酷い時には神経麻痺が出現する場合もあります。そして、痛みのため歩く事もままならなくなる人もいます。

以前は、年をとると、部屋の中でゆっくりと過ごしていた人が多かったのですが、ゴルフをしたり、旅行に出かけたりと元気な高齢者が増えてきました。

世界には例を見ない高齢化が進んでいる日本において、腰痛や下肢痛の患者の増加は、いわば宿命と言えるものです。

医療の進歩に関わらず、団塊の世代の方々が年をとるため、今後10年間は腰痛や下肢痛を訴える人の数はますます増加していくでしょう。

 

広く知られる坐骨神経痛は、実は病名ではなく症状名です。

40代や50代~80代以上といった中高年者だけでなく、若い人でも、無理な作業や、あまり宜しくない姿勢の持続、激しい運動などが原因で腰痛になり、太ももやふくらはぎなどに痺れや痛みを感じることがあります。

こうした腰の張りや足の痺れ・痛みを感じるようになった時、たいていの方は腰が痛くなれば「腰痛」、お尻から足にかけて痺れが出れば「坐骨神経痛」というように自己判断(自己診断)します。

しかし、「坐骨神経痛」は実は症状名であり病名ではありません。

風邪症候群も、ただの風邪の症状を呈しているだけで、何が原因かはこの段階ではわかりませんね。

坐骨神経痛とは、腰から下肢にあらわれる痛み、痺れ、麻痺などの症状の総称です。

殿部から足にかけて「坐骨神経」という大きな末梢神経が通っているのですが、その領域に症状があるため、「坐骨神経痛」と呼ばれています。

頭が痛いから「頭痛」と言っているのと同じような事です。

注意しなければいけないのは、医師の治療を受けないで、自己判断で勝手に市販薬や民間療法をしているうちに、症状を悪化させてしまうことです。

痛みに不安を感じたり、ストレッチや体操を2~3週間続けても症状が軽くならない、かえって酷くなる、下肢の麻痺(筋力低下)が現れた、または、慢性的に続く下肢のしびれや痛みがあるなら、早めに整形外科で専門の医師に診てもらいましょう。

場合によって、背骨の問題や、内臓、血管などの疾患という事もありますので、しっかりと診察してもらわなくてはいけません。

 

上体を前に曲げると痛みが増すのが「腰椎椎間板ヘルニアよる坐骨神経痛」の特徴

椎間板というのは、腰椎という5つ並んだ腰骨の間に存在していて、クッションの役割をしています。

その椎間板が損傷して、クッションが潰れてしまうと、中に含まれているゼリー状の髄核という組織が飛び出てきます。

そして、背骨の中には、神経の束が存在していて、このゼリー状の髄核が飛び出てきた時にぶつかってしまいやすい位置関係にあります。

飛び出た髄核が、神経にぶつからなければ問題ないのですが、かなり近い位置にあって、また髄核が飛び出やすい後方に、ちょうど神経が位置しているので、それが、神経を圧迫して痛みを引き起こしています。

椎間板の中の髄核に含まれている水分は20歳ごろをピークに後は老化していきます。水分量は30代から少しずつですが確実に失われていき、それとともに椎間板も弾力性が失われていきます。

椎間板には、常に大きな負荷が加わっていて、前かがみになる姿勢では、体重の何倍もの圧力が加わるとさらています。

そのため、長時間同じ姿勢で仕事を続けたり、姿勢が悪かったり、荷物の積み下ろしを繰り返すなどをしていると椎間板に無理な力が加わり続けます。

椎間板は線維輪という軟骨とコラーゲンが髄核のまわりをガードしていて、動きにあわせてさまざまな形に変化して、衝撃を吸収する役目を持っています。

そこに、強い負荷が加わり続けるので、次第に老化した線維輪に亀裂できて、中の髄核が椎間板から飛び出してしまいます。

そして、先ほど説明した腰骨の中(ここを脊柱管と言い神経の束が通ります。)にある神経を圧迫してしまいます。

椎間板に加わる刺激の中で、もっとも負担が大きいのが腰を曲げる動作や、腰が曲がった姿勢の持続であり、前に体を曲げると腰椎椎間板ヘルニアによる腰の痛みや、下肢の痺れ・痛みが出現するのです。

 

腰椎椎間板ヘルニアの主症状は、腰痛と坐骨神経痛

腰椎椎間板ヘルニアは多くの場合、腰痛と下肢の痛みや痺れを伴います。これが主な症状となります。

脚の症状は片側だけの場合と両側に出る場合がありますが、基本的には片側のみで、右になったり左になったりと移動する事はありません。

脚の痛みやしびれは、お尻から太ももの後ろ側、ふくらはぎ、かかと、足先へと伸びている坐骨神経に沿って起こる坐骨神経痛が多いのですが、脚の付け根(股関節)や大腿部の神経痛(大腿神経痛)もみられます。

しかし、本来は、ヘルニアよって、馬尾神経(坐骨神経の大元)や神経根を圧迫しただけでは、坐骨神経痛は起こらないとされており、ヘルニアによって起こる炎症と、神経への圧迫が組み合わさって症状が出現するとされています。

つまり、MRIで見た時にヘルニアが神経を圧迫しているからと言って、必ず坐骨神経痛が出現するとは限りません。

この症状を呈するタイプを症候性椎間板ヘルニアといい、症状を呈さないタイプを無症候性椎間板ヘルニアといいます。

腰椎椎間板ヘルニアは背中のほうに飛び出すので、痛みは、前かがみになったり、いすに腰掛けていたりすると強くなります。

そのため、前屈姿勢や前かがみ姿勢は症状を悪化させてしまうので厳禁です。

常に痛いわけではなく、痛い時と痛くない時があるのも特徴で、中腰や前傾姿勢、前屈する動きをすると痛みが増します。

ソファに腰掛けて腰を丸めて座っている時にくしゃみや咳をしたり、ちょっと前かがみになった状態で重い荷物を持つなどの動きが痛みに影響し、酷くなると安静にしていても、立ちっぱなしや座りっぱなしなどの一定の姿勢のままでいると辛くなるのが特徴です。これが腰椎椎間板ヘルニアです。

 

腰椎椎間板ヘルニアは、必ず手術をする必要があるのか?

ヘルニアは若い人が多くかかるが、手術を必要とする患者数は減少傾向にあります。

腰椎椎間板ヘルニアは主に若い人が多くかかります。

また、治療法が進歩していることもあり、手術を必要とする患者数は年々減少傾向にあります。

症状は、通常は腰痛と左右どちらかの片側の下肢に起こります。

MRIで撮影すると、腰椎の2ヶ所以上に腰椎椎間板ヘルニアが見られることもありますが、実際に痛むのは、通常、1ヶ所です。第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板(L4/5椎間板:えるよんごついかんばん)と第5腰椎と仙骨の間にある椎間板(L5/S1椎間板:えるごえすいちついかんばん、ごえすついかんばん)によく起こり、90%以上の患者さんがこれに該当します。

また、発症の仕方は、人によって異なり、急に発祥することもあります。

普通は、まず腰が痛くなり、症状が悪化すると下肢痛を伴うようになる事が多いです。

また、昔から軽度の腰痛を繰り返していて、急に強い腰痛と下肢痛が出現する場合もあります。また、なかには、腰痛を起こさずに下肢痛だけを起こす場合もあります。

症状が進行すると、脚の筋力低下(力が入らない)、足首が上がらない、踵歩きやつま先歩きができないなどの症状がみられたり、皮膚の触覚の感覚に鈍くなるという感覚障害がみられたりします。

 

腰痛や坐骨神経痛の原因となる炎症を抑える薬が「非ステロイド性消炎鎮痛剤」

薬による治療を薬物療法といい、飲むタイプとのお薬での治療を投薬療法と言います。

その投薬療法には、消炎鎮痛剤(しょうえんちんつうざい、痛み止めと炎症止めのこと)、筋弛緩薬、末梢循環改善薬があり、症状によってビタミンB12、精神薬などが投与されます。

 

消炎鎮痛剤は最初に飲むタイプの薬

消炎鎮痛薬は、痛みや幹部の炎症を抑えるもので、非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服薬のほか座薬が使用される場合もあります。

この薬には色々な種類があるので、症状が軽くならない場合は、別の種類に変更します。また、湿布剤や塗り薬などの外用薬を併用することがあります。

経口薬(内服薬)としての消炎鎮痛剤には、市販されているものも多く、イブやバファリンに配合されているロキソニンも、消炎鎮痛剤の仲間です。

 

筋弛緩薬と末梢循環改善薬、ビタミンB12

筋弛緩薬は、こばわばった筋肉の緊張をほぐして痛みを軽減させようと身体に働く薬です。神経組織の血流障害が痛みの原因になっている場合は、末梢循環改善薬を用いて血管を拡張させます。

これにより、馬尾神経や神経根(腰椎椎間板ヘルニアよって圧迫を受けやすい神経の箇所)と周囲の靭帯などの血流が改善されると痛みが軽減されます。

ビタミンB12は、血液中の赤血球を増やし、傷ついた神経を修復して神経の働きを安定させる役目があります。

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